課題演習DCの内容説明(2022年度)

題名 担当教員 分野 前提 定員
重力観測データで桜島火山を診る
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風間卓仁
山本圭吾(防災研究所)
中道治久(防災研究所)
井口正人(防災研究所)
測地学(火山を一部含む) 意欲があれば特に問わないが、計算機による初歩的なデータ処理の経験があれば好ましい。 8名
重力観測は測地学において重要な観測手法の1つであり、地下質量構造やその時間変化を把握するために用いられている。本演習では、まず受講者自らが京都大学~比叡山山頂で重力観測を実施し、重力計の操作方法や重力データの解析方法を学ぶ。次に、桜島火山で過去に取得された測地データ(重力データ・水準データなど)をインバージョン解析し、火山活動に伴う地下質量変動をモデル化する。これらのデータ解析に関連して、重力に関する理論を学ぶために英語の教科書を輪読する予定である。
なお、本課題では例年9月に桜島火山での重力観測実習を行っていたが、今年度はCOVID-19の影響で9月における桜島での実習は行わない。ただし、今後状況が改善した際には桜島での重力観測実習を改めて実施する予定であり、その日程については受講者とともに検討していく。
大地の変動を見る ー 地表から沈み込み帯まで ー
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清水以知子
浅野公之(防災研究所)
岩田知孝(防災研究所)
地球レオロジー,活構造学(テクトニクス),強震動地震学 特になし 6名
本演習では,大地震による活断層の動きや地盤の揺れから,沈み込むプレートによる地下深部のゆっくりした変形まで,地殻変動の研究に必要な野外観察と観測,岩石力学試験や顕微鏡組織観察,データ解析の手法を基礎理論とともに体験的に学ぶ.今年度は夏休み期間中に1泊2日の淡路島巡検を行ない,阪神淡路大震災の震源断層の見学や,島弧地殻および高圧変成岩のフィールド観察を行う.室内実験や分析,地震波伝播・強震動に関する演習は理学部で行う.野外調査実習の1回は防災研究所(宇治キャンパス)で実施する予定である.今後の新型コロナの感染状況によって,巡検や実習の日程・内容を変更する場合がある.
計算固体地球物理学
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金子善宏 計算力学, 地震学, 地球内部物理学 6名
熱伝導、断層運動、津波や地震波の伝播を支配する力学と, その理解の手助けとなる数値解析的手法を「演習」を通して習得する。研究発表などでみられるCGで表示された美しいシミュレーション結果の裏にある理論の修得と,実際に解析を行い,実践的な学習を重ねる。地球物理学分野で幅広く利用されている有限差分法(FDM),有限要素法(FEM)やスペクトラル要素法(SEM)といった数値シミュレーションのためのアルゴリズムを理解する。発展問題として, 地震波の伝播や断層の動的破壊シミュレーションのプログラムを稼働させ結果を分析する。
マグマから噴火まで —研究に使用する代表的な手法を習得する—
【PDFファイル】
大倉敬宏
楠本成寿
横尾亮彦
宇津木充
(地球熱学研究施設)
地球熱学・火山物理 好奇心と熱意があれば,特に問わない. 8名
マグマの発生から噴火に至るまでの現象を研究するためには,多様な手法が使用される.本演習は,これらの手法の概要を理解し,多面的に現象を見る目を養うことを目的としている.内容としては,比抵抗,全磁力,自然電位などの電磁気解析,赤外・可視映像の解析による熱的調査,重力を用いた地下の密度構造解析の基礎,などである.1項目2回~3回の演習を予定している.また,夏季休暇中の5日間(9月21~25日)に阿蘇でのフィールド調査を実施する予定である(コロナ感染状況により中止の可能性もあり).フィールド調査の交通費および食費は自己負担で,宿泊には阿蘇の火山研究センター(阿蘇郡南阿蘇村)を利用する.