課題演習DDの内容説明(平成24年度)

題名 担当教員 分野 前提 定員
数値モデルを自作してみよう
【PDFファイル】
里村雄彦 流体一般 FORTRANをホンの少しは知っている事。プログラム作成の経験は無くても良い 4名
流体数値モデルの作成について基礎の基礎から始め、最後にはそれなりの流体数値モデルを自作できるようになります
PCの海
【PDFファイル】
秋友和典 海洋物理学 計算地球物理学で行う程度のFortran の基礎知識と海に対する興味 3名
海洋は、その膨大な熱容量のため、地球の気候を決定する重要な要因として働いている。現象の時空間スケールはmm・秒単位から万km・千年に及び、それぞれが影響し合いながら、地球規模循環を形成・維持している。この循環像を理解するための有力な手段の一つとして数値モデル実験がある。近年の計算機性能・資源の発展に伴い、簡単なモデル実験であれば、日頃から利用しているパーソナル・コンピュータ(PC)を用いても十分に行うことができる。そこで、この課題では、自らのPCの中に「海洋循環」を再現し、その物理的なメカニズムを考察することを目標とする。
地球の南北熱エネルギー輸送において海洋の担う役割を評価する
【PDFファイル】
根田昌典 海洋 課題演習DBの履修 4名
既存の海洋観測データと衛星観測データなどを用いて海洋の南北熱輸送量を算出する。スベルドラップ輸送量との比較や水隗分布との関係などについての議論を通じて、気圏水圏における熱エネルギーの再分配過程のなかで海洋の果たす役割を評価する。
気象学総合演習 余田成男
石岡圭一
内藤陽子
石川裕彦(防災研)
林 泰一(防災研)
気象 課題演習DB, 計算地球物理学・同演習, 地球連続体力学など 5名
以下の3つの内容に関する演習を行い、気象学の様々な研究手法に触れることを目的とする。(1)大気境界層観測法入門:先端エレクトロニクス技術に根ざしたフィールド観測法により、接地境界層内の乱流輸送が時間変動する様子を認識する。(2)全球気象データ解析法入門:時空間4次元データの解析法を学び、大気大循環および波動・擾乱の実態を把握する。(3)数値計算法・実験法入門:気象学・地球流体力学で用いる微分方程式の数値解法を学び、いくつかの具体的な初期値・境界値問題を解いて、その基本的力学を理解する。
気候データ解析
【PDFファイル】
重尚一
西 憲敬
気候・気象 ある程度のプログラミング経験または興味 3名
さまざまな過程が複雑にからんでいるところが、気候システム研究の魅力である。しかし、その第一歩は、やはり何かひとつの物理過程をきちんと理解することではないだろうか。主に衛星データを用いて、気候システムにかかわる物理過程のデータ解析を行う。また、衛星データ検証などのためにもますます重要な地上観測に関して、地上雨量計による観測・解析を通して経験を積む。
電磁場で地球の中と外を見る
【PDFファイル】
家森俊彦
藤 浩明
竹田雅彦
能勢正仁
太陽地球系物理学・地球電磁気学 特になし 6名
電磁場は地球内外の電磁気的環境を探る有力な手段である。この課題演習では前半に超高層・惑星間空間環境の推定、後半に地球内部環境の推定を行う。
[前半]
オーロラが現れるような高緯度域において地球の磁場(地磁気)を観測していると、周期150-600秒の正弦波的な変化が現れることがある。この地磁気変化は太陽風の状況と密接に関わっていることが知られている。演習では、地磁気変化の正体である電磁流体波動についてゼミナール形式の輪読を行う。加えて実際に昭和基地で観測されたデータを解析し、輪読で得られた知識を元に太陽風(地球の外)の状況の推定を行う。
[後半]
地磁気の変化の場所や成分による違いには、地球内部に誘導される電流の効果を通して地球内部電気伝導度分布の情報が含まれている。ここでは地磁気変化が地球内部にどのような誘導電流を流すかを輪読により学習し、次いで実際のデータを解析することでどのような分布をしているのかを調べる。
太陽風と惑星プラズマを学ぶスペースツアー
【PDFファイル】
町田 忍
齊藤昭則
地球電磁気学 前期のDBで行う程度のFortranの基礎知識と、自然界の電磁気学的な現象に対する興味 7名
太陽系内の惑星間空間や惑星大気に存在するプラズマ(電子およびイオン)の運動について、理論、シミュレーション、観測、データ解析の演習を行う。具体的には、太陽風生成機構に関する英文論文の輪講と惑星磁気圏の中で起こるプラズマの加速・加熱機構に関する計算機シミュレーション、電離圏プラズマの特性を調べるための電波観測とデータ解析、について演習を行う。