課題演習DDの内容説明(2022年度)

題名 担当教員 分野 前提 定員
粒の気象学 -雨粒と微粒子-
【PDFファイル】
重尚一
高橋けんし(生存圏研究所)
大沢信二(地球熱学研究施設)
気象・気候・リモートセンシング 課題演習DBの履修 4名
本課題では,雨粒や微粒子(エアロゾル)といった気象学のなかの“粒”に関連した様々な観測データに触れる.レーザ(光)で得られた雨粒の大きさを表す粒径分布データやレーダ(電波)で得られた高時間・高分解能の雨の水平分布を,プログラムを作成して可視化・解析するとともに,関連する英語文献の輪読を行う. また,エアロゾルの粒径分布データについても,光散乱計測法により観測する.天気予報やニュースで目にする「きょうのPM2.5は~」という情報には載らない,多彩な情報が得られることを実感してもらう.“どこ”で,“どのように”エアロゾルの粒径分布を測定するかは,受講生と相談しながら決める.
海洋力学演習
【PDFファイル】
吉川裕 海洋 計算地球物理学で行う程度のFortranの基礎知識 4名
演習を通じて海洋運動を支配する基礎力学と,その理解の手助けとなる数値実験の基本を習得することを目指す.一見不思議な海洋現象の原因を調べ解明するプロセスを体験することも目指す.赤道潜流をテーマとして取り上げる予定であるが,参加者の意向・志向によりテーマを変更する場合もある.
地球の南北熱エネルギー輸送において海洋の担う役割を評価する
【PDFファイル】
根田昌典 海洋 課題演習DBの履修 4名
既存の海洋観測データを利用して海洋の南北熱輸送量を算出する.まず,基礎となる英語論文の輪読によって方法論を学ぶとともに論文を読むことの楽しさを味わう.スベルドラップ輸送量との比較や水塊分布との関係などについての議論を通じて,気圏水圏における熱エネルギーの再分配過程において海洋の果たす役割を評価する.
気象学総合演習
【PDFファイル】
石岡圭一
坂崎貴俊
堀口光章(防災研究所)
気象 課題演習DB, 計算地球物理学・同演習, 地球連続体力学など 5名
以下の3つの内容に関する演習を行い,気象学の様々な研究手法に触れることを目的とする.(1)大気境界層観測法入門:先端エレクトロニクス技術に根ざしたフィールド観測法により,接地境界層内の乱流輸送が時間変動する様子を認識する.(2)全球気象データ解析法入門:時空間4次元データの解析法を学び,大気大循環および波動・擾乱の実態を把握する.(3)数値計算法・実験法入門:気象学・地球流体力学で用いる微分方程式の数値解法を学び,いくつかの具体的な初期値・境界値問題を解いて,その基本的力学を理解する.
探査衛星と地上の磁場観測で宇宙空間を知る
【PDFファイル】
松岡彩子
今城峻
太陽惑星系電磁気学,太陽地球系物理学 課題演習DBの履修 4名
磁場は宇宙空間の動態を理解するために最も基本的な物理量であり、宇宙空間の観測研究を進める上で、磁場データの適切な解析・解釈は基本となる。地上および地球周辺、惑星周辺、惑星間空間における磁場観測の手法についての知識を得て、地上や探査衛星で実際に得た観測データを用いて現象を解析、理解する流れを学ぶ。(1)宇宙空間で起きる代表的な磁場現象の物理 (2)磁場測定の原理と方法、簡易な機器の製作 (3)磁場観測値の校正とデータ処理 (4) 地上多点観測磁場データを用いた磁場現象活動度の指標 を講義、ゼミナール、実習形式で行う予定である。
地球と火星の超高層プラズマを探る
【PDFファイル】
田口聡
齊藤昭則
原田裕己
太陽惑星系電磁気学,太陽地球系物理学 課題演習DBの履修 6名
地球と火星の宇宙空間に存在するプラズマについて,その測定方法を学び,実際の観測データを計算機で解析することにより,プラズマのダイナミクスを理解することを目的とする.具体的には,以下の内容を行う:
1. 磁気圏から電離圏に流れ込むプラズマ流とオーロラ発光強度分布のデータの解析
2. 国際宇宙ステーションとGNSSによって取得された超高層プラズマ変動データの解析.
3. 火星のミニ磁気圏に関わるプラズマと磁場データの解析.