課題演習DDの内容説明(2020年度)

題名 担当教員 分野 前提 定員
雨の科学
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重尚一
大沢信二(地球熱学研究施設)
気候・気象・陸水 課題演習DBの履修 4名
本課題では、理学部1号館屋上設置のレーザ式降水粒径速度分布測定装置で観測している雨滴の粒径分布が,雨の事例(台風,夕立,シトシト雨,などなど)でどのように変化するのかを調べる.プログラムを作成して観測データを解析するとともに,解析結果を解釈するため,他の既存データを解析したり,関連する英語文献の輪読を行う.
また,昨年までに雨滴を採取して調べた雨の化学的特性(水の同位体や塩分)を生み出すメカニズムについて,後方流跡線解析などを用いることによって考察する予定である.
海洋力学演習
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吉川裕 海洋 計算地球物理学で行う程度のFortranの基礎知識 4名
演習を通じて海洋運動を支配する基礎力学と,その理解の手助けとなる数値実験の基本を習得することを目指す.一見不思議な海洋現象の原因を調べ解明するプロセスが体験できるよう,今年度は以下の二つのテーマを取り上げ,そのいずれかに取り組む.テーマ1:風成循環,テーマ2:熱塩循環.
地球の南北熱エネルギー輸送において海洋の担う役割を評価する
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根田昌典 海洋 課題演習DBの履修 4名
既存の海洋観測データを利用して海洋の南北熱輸送量を算出する.まず,基礎となる英語論文の輪読によって方法論を学ぶとともに論文を読むことの楽しさを味わう.スベルドラップ輸送量との比較や水塊分布との関係などについての議論を通じて,気圏水圏における熱エネルギーの再分配過程において海洋の果たす役割を評価する.
気象学総合演習
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石岡圭一
坂崎貴俊
堀口光章(防災研究所)
気象 課題演習DB, 計算地球物理学・同演習, 地球連続体力学など 5名
以下の3つの内容に関する演習を行い,気象学の様々な研究手法に触れることを目的とする.(1)大気境界層観測法入門:先端エレクトロニクス技術に根ざしたフィールド観測法により,接地境界層内の乱流輸送が時間変動する様子を認識する.(2)全球気象データ解析法入門:時空間4次元データの解析法を学び,大気大循環および波動・擾乱の実態を把握する.(3)数値計算法・実験法入門:気象学・地球流体力学で用いる微分方程式の数値解法を学び,いくつかの具体的な初期値・境界値問題を解いて,その基本的力学を理解する.
探査衛星と地上の磁場観測で宇宙空間を知る
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松岡彩子 太陽惑星系電磁気学,太陽地球系物理学 課題演習DBの履修 3名
磁場は宇宙空間の動態を理解するために最も基本的な物理量であり、宇宙空間の観測研究を進める上で、磁場データの適切な解析・解釈は基本となる。宇宙空間で起きる代表的な磁場現象を解明する仮想プロジェクトを立案、地上および地球周辺、惑星周辺、惑星間空間における磁場観測についての知識を得て、実際の観測データを用いて現象を解析、理解する流れを学ぶ。(1)宇宙空間で起きる代表的な磁場現象の物理 (2)磁場測定の基本 (3)磁場観測値の校正 (4)宇宙空間で起きる代表的な磁場現象の解析 を講義、ゼミナール、実習形式で行う予定である。
地球と火星の超高層プラズマを探る
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田口聡
齊藤昭則
原田裕己
太陽惑星系電磁気学,太陽地球系物理学 課題演習DBの履修 6名
地球と火星の宇宙空間に存在するプラズマについて,その測定方法を学び,実際の観測データを計算機で解析することにより,プラズマのダイナミクスを理解することを目的とする.具体的には,以下の内容を行う:
1. 磁気圏から電離圏に流れ込むプラズマ流とオーロラ発光強度分布のデータの解析
2. 国際宇宙ステーションとGNSSによって取得された超高層プラズマ変動データの解析.
3. 火星のミニ磁気圏に関わるプラズマと磁場データの解析.