課題演習DCの内容説明(平成20年度)

題名 担当教員 分野 前提 定員
自然が見せるパターンの科学 古川善紹 複合領域(一般教養) 広い興味、パソコン(プログラミングが出来るとありがたい) 5名
例えば人間も数人集まると結構ややこしい事が起こったりするが、それぞれが個性的でなくても、お互い関係しているうちに全体として複雑な状況となる場合が多い。星も2つならくるくる回っているが、3つになるともう解らない。天気予報はあたらない。単純なものでも多くが相互作用(フィードバック)しあえば複雑な挙動を示すようである。万物流転する自然界を眺めればその様な系は普通に存在し、時に様々なパターンを見せてくれる。自然界はそれらがさらにつながりあったスーパーシステムであり、そのつながりによって機能しているのかもしれない。それらを理解するには、構成要素(名詞的)ではなく系全体の振る舞い(動詞的)が重要となる。それを調べていくとその動詞的世界の中から法則性が浮かび上がってくる。この演習では、そのための道具(フラクタル、カオス、ネットワーク理論等)の初歩を学ぶ。また自発的に構造を形成する系や同期等の簡単な実験を行う。この演習は課題研究には決してつながらない"色物"です。視野を広く教養を高め、自然を観る目を養いましょう。
花折断層を測る
【PDFファイル(84KB)】
東 敏博 測地、水準測量、重力測定 DAの履修 4名
福田洋一
将来、最大で震度7を引き起こす可能性のある花折断層は、南端が京都大学構内を横切っている。この活断層をまたいだ精密水準測量を繰り返すことで、現在の地殻変動の動きを探る。また、精密重力測定を実施することで、花折断層の位置の検出を試みる。
宇宙測地データに触れる
【PDFファイル(227KB)】
福田洋一 測地、地殻変動、重力、リモートセンシング 意欲があればとくに問わないが、計算機による初歩的なデータ処理の経験があれば望ましい。 4名
橋本学
(防災研究所)
最近目覚しく発展している宇宙測地技術のうち、GPS、InSAR、衛星重力、衛星高度計のデータを用い、実際にそのデータ処理を行うことで、これらのデータの持つ意味や得られた結果について理解を深めるとともに、それらの応用研究について考える。
計算弾性力学
【PDFファイル(108KB)】
中西一郎 地震、地球内部構造、地殻変動 1回生レベルの微積分と線形代数。プログラミング・数値計算の経験は前提としない 7名
弾性力学(弾性体の変形、弾性波)を数値計算とグラフィック表示により学ぶ。数値計算の楽しさ、威力、怖さを体験する。数値計算:Fortran、または C/C++、グラフィック:gnuplot、地球流体電脳ライブラリ。
活断層と内陸直下型地震 堤 浩之 活構造学、応用地震学 課題演習DA 6名
竹村恵二
(地球熱学研究施設)
岩田知孝
(防災研究所)
活断層やそれから発生する内陸直下型地震を研究する際に必要な、基礎的理論・野外観察と観測・データ解析・室内分析を体系的に学ぶ。具体的には、空中写真判読・測量による地形図の作成・古地震調査・堆積物分析・反射法地震探査・地震動データ解析などの演習を行う。野外での地形・地質調査実習と活断層調査や地盤構造調査のための物理探査実習を含む。
地球の鼓動を探る
【PDFファイル(246KB)】
久家慶子 地震(火山を一部含む) 特に前提知識は必要なし。計算機を使用するので、その知識(例えば、Fortran等)があると容易ではあるが、必ずしも必要とはしない 6名
平原和朗(地球)
大倉敬宏(阿蘇)
宮澤理稔(防災)
本演習では、地震もしくは火山活動等による地面の揺れをターゲットに、観測・データ解析・モデリングの三位一体で迫る。目で直接見ることのできない地球内部での現象(地震など)や深部構造を明らかにするには、地表での震動や変動を観測すること(観測)、そのデータを読み解くこと(データ解析)、その結果をもとに地下での現象を予想・解釈すること(モデリング)の3つの組み合わせが不可欠である。本演習では、これらを一通り体験することにより、地震や地球内部を調べるための基礎的感覚を身につけることが目的である。京都で地震のデータをとることは難しいので、観測実習は、夏期休暇中の3日間程度を利用して、阿蘇・火山センターにて実施する予定である(交通費自己負担、宿泊費不要)。交通費や実習場所の参考として、2007年度の観測実習のようすがこちら で見られる(天気が良ければ抜群に快適!)。実習日程は、履修者決定後、相談の上、決める。
マグマから噴火まで 鍵山恒臣 地球熱学・火山物理 好奇心と熱意があれば、特に問わない。 5名
大沢信二
川本竜彦
柴田知之
宇津木充
(地球熱学研究施設)
マグマの発生から噴火に至るまでの現象を研究する際に必要となる手法のいくつかを体験する。内容としては、比抵抗、全磁力、自然電位などの解析熱映像解析など熱的研究の紹介ビデオ、映像解析の基礎、高温・高圧実験の基礎、岩石の分析、熱水・湧水の同位体研究の基礎、などである。九州でのフィールド調査希望者には有。1項目2回〜3回程度で体験する。