研究会『京大地球物理学研究の百年(その2)』
開会挨拶  竹本修三


 皆さんおはようございます。プログラムがお手元あると思いますが、本日は44名の方にご出席いただける予定でございます。今年は志田順先生が京都で地球物理学の研究を始められてからちょうど百年に当たるということで、6月27日にこの場所で「京大地球物理学研究の百年」という研究会を開催させていただきました。
 そのイントロで、私が「寺田寅彦と京大地球物理学との関わり」というお話をさせていただいた後、固体地球物理学では、島田充彦先生に「阿武山地震観測所と京大高圧実験の歴史」、また、須藤靖明先生に「京大火山学研究の光と影」のご講演をお願いし、気象学の分野では、山元龍三郎先生に「滑川忠夫先生に続く京大気象学の系譜」、さらに地球電磁気学分野では佐納康治先生に「長谷川萬吉先生と地球電磁気学研究」のご講演をお願いしました。そのあとの総合討論で、この研究会は一回だけで終わるのでなく、今回漏れた分野などを含めて、少なくとももう1回は「京大地球物理学研究の百年」の研究会を開催してほしいという意見が何人かの方から出されました。そこで、本日の第2回研究会を開催した次第です。
 前回漏れた分野のなかに海洋学がありますが、海洋は今が輝いているので、過去の事よりも現在行われている最先端の研究を紹介していただいた方がよい、ということになり、淡路敏之先生に「データ同化によるバーチャル海洋づくり」というご講演をお願いしました。淡路先生は大変お忙しく、昨夜も東京にお泊りでしたが、今日の弁当の時間までには、こちらに到着されるという予定になっております。
 固体地球物理学、とくに地震学・測地学の分野では、前回、島田先生に高圧の話をお願いしましたが、今日はこの分野では、尾池和夫先生にイントロを兼ねて、「大陸移動説の歴史を振り返る」というご講演をお願いし、 また、大谷文夫先生に「京大地殻変動観測に携わった40余年」というお話をしていただけることになっております。
 火山学の分野では、前回、須藤先生に、阿蘇火山を中心とした京大の火山学研究の歴史をお話いただきましたが、今回は、石原和弘先生に「東南アジアの火山研究−京大の海外貢献」というタイトルで、ある意味、京大らしいとも言える「海外フィールドワーク」の一端をお話いただけることになっております。
 気象学・地球電磁気学の分野では、前回、山元先生と佐納先生に、京大における気象学・地球電磁気学研究の歴史を詳しくお話いただきましたが、今回は、これらの分野で国際的な研究の流れのなかで、京大の果した役割という観点から、加藤 進先生には「地球電磁気学研究で京大の果した役割」、廣田 勇先生には「国際気象界のなかの日本−京都から何が発信されたか」というタイトルでご講演をお願いしております。きっと若い人を鼓舞する元気のでるお話を聞かせていただけるのではないかと期待しております。
 そして、総合討論は、前回と同様に荒木 徹先生に司会をお願いしてあります。あまり時間がとれなくて申し訳ないですが、活発なご討論をお願いいたします。
 それでは尾池先生、最初のご講演をお願いいたします。



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